田辺ひゃくいちの冒険

踏みつけたくなるウンコを求めて。

性欲で学ぶ日常エロ英語例文(中学英語レベル)を50選する冒険

本記事は性欲で学ぶ日常エロ英語例文50選(中学英語レベル)- Sexy & Erotic Japanese Dictionaryの制作後記である。

まえがき

ウォルター・ディック氏、いや敬意を込めてビッグ・ディックと呼ばせていただこう。彼と出会ったのは、毎日のように道端でジャックダニエルに打ちのめされていた2014年11月半ばのことである。

当時、「スメル・フット・ワールド(SFW)」のコラム欄は、うっかり新聞紙につけてしまったホット・クリームパイの跡よりも小さくなってしまっていて、パンと卵と少々のベーコンを毎日買えるだけの仕事と原稿料をわたしに与えつづけてくれていたSFWのコラム担当者メアリー・ジョーンズも早期退職をしようかと考えはじめていた。

日々のパンと卵と少々のベーコンを失ったわたしは、遺された全財産でジャックダニエルの大瓶を買えるだけ買った。そして、毎朝、最も分量の多い瓶を選び、セントラルパークの外れにある、それこそSFWのコラム欄のようなベンチに座り、気が済むまで飲み明かすことにした。

ただ、残念なことに気が済むことはいっこうになく、どの瓶も空っぽに近づき、最も分量の多いものを選び出すのが難しくなってきたとき、わたしの身体も空き瓶のように軽くなりはじめ、もはやセントラルパークまでたどり着くことすらできず、自宅の前の道端で横になって瓶を舐めることが多くなっていた。

突如、目の前に現れた大男は、わたしの手からジャックダニエルの空き瓶を奪い、蓋を開け、その饐えた匂いを嗅ぎ、満足そうに微笑んだ。それはあまりにも自然な動作で無言のままに受け入れるしかなく、そのあとに彼が続けた「2020年には、おまえの母国東京五輪が開催される。外国人観光客が増えてクールジャパンとやらを世界へ発信できる絶好のチャンスになる。英語でも改めてやりなおしてみたらどうだ。時間ならだれよりもあるんだろう?」という言葉もなぜか「受け入れるしかない」と思うことになった。

たしかに、そのウォルター・ディックと名乗る大男の名刺には某有名誌の名前が記されており、とりあえずこいつに従っていれば一定の仕事を恵んでくれそうだったからという魂胆があったことも否めない。ただ、何よりも彼がポケットから10万円を取り出し、「この金を使ってやってみたらいい」と置き去ったことで、わたしが次にやるべきことは自ずと決まってしまったのだ。

たかが10万円と思うかもしれないが、2014年を越せないだろうと諦めていたわたしにとっては、くたばる前に何か(どんな小さなことであったとしても)をやり遂げる人生最後の猶予が与えられたといっても過言ではなかった。そして、そのチャンスをもらいっぱなしにすることなく、しっかりと何かしらの形で返さなければならないと思ったのだった。ウォルター・ディックに。あるいは、メアリーに。10万円の価値というものはそういうものなのである。

そこで、わたしは自宅前の道端から部屋へと戻り、散らばるジャックダニエルの空き瓶を一つひとつ隅に追いやり、まずは中学英語の復習からはじめてみることにした。ただ、残念なことに、気づけばインターネットでエロサイトばかりを開き、右手で貴重な時間を擦り減らしてしまう日々が続いてしまうのだった。

このままではいけない。常に行く手を阻もうとするエロをなんとかしなければ。そうか、そうだ。英語学習とエロの両方を同時に叶えられるようにすればいいじゃないか。性欲を原動力として英語を学べるようにするのだ。

これが性欲で学ぶ日常エロ英語例文50選(中学英語レベル)- Sexy & Erotic Japanese Dictionaryというものを作ることになったきっかけである。

この例文集が、中学英語からやり直そうとしている母国・日本の社会人はもちろん、英語に興味が持てない若き男子たちにも(できれば女子たちにも)活用されることを願っている。この時期であれば、入試直前の息抜きにでもどうぞ。

同時に、どうせなら、この例文集自体が海外へ日本の文化を発信するコンテンツになれればと思った。偉大なる官能小説家ピークス・ギャラガーが言うように「エロは全世界共通の欲求であり、そこに国境は存在しない」はずだからだ。

そこで、日本語のエロ用語の発音をそのままローマ字表記にしたものを英語例文中に使用し、日本語のエロ用語の英訳については「重要単語(Sight Word)」として別に記載するスタイルとした。これにより、万が一、英語圏の人間がページを見かけたときにも最低限の意味が分かるし、日本語オリジナルの発音も楽しみやすくなるのではないかと思う。日本語圏の人間にとっても英語例文にとっつきやすくなるのではないかと期待している。

結果として、すでに英語化されているらしい「Bukkake(ぶっかけ)」につづく、新たなクールジャパンを少しでも世界へ伝える役割を果たせるのだとしたら、これほど嬉しいことはない。

ただ、言うまでもないかもしれないが、わたしは英語が堪能ではない。色々なサイトの力を借りて踏ん張ってはみたのだが、それでもわたしの力不足により、正確ではない英文や英訳が散見されるかと思う。というか、ほとんどだろう。その点はご容赦いただきたい。

もし、どうしても言わなければ気が済まないご意見などがあれば、「スメル・フット・ワールド(SFW)」の広告欄に、わたしへのメッセージをご掲載いただければと思う。わたしに対する読者の方々の怒りがSFWへの恩返し(広告収入向上)へとつながるならば、怒られるのも悪くない。そのときには出来得る限りの対処をさせていただく所存だ。まあ、道端でジャックダニエルに打ちのめされていなければの話だが。

前置きが長くなってしまったので本題に入る。

本記事では、もし、わたしと同じようなことを将来に考える希少な人間がいたときのために、性欲で学ぶ日常エロ英語例文50選(中学英語レベル)- Sexy & Erotic Japanese Dictionary」の制作過程について少し書いていこうと思う。

正直、極めて個人的な体験であるため、参考になれるかは自信がない。ただ、少なくとも、今は行方知らずとなってしまったSFWの元コラム担当者で、わたしがプロポーズをしようと心に決めていたメアリー・ジョーンズであれば、あの愛すべき黒縁眼鏡を上下に激しく揺らしてくれると信じている。(メアリー、もしこの記事を見かけたならば、いつものところへ来てほしい。いつまでも待っているよ)

性欲で学ぶ日常エロ英語例文(中学英語レベル)を50選するための5つのステップ

STEP1 日本語のエロ用語を集める

わたしが最初にしたことは、日本語のエロ用語をひたすら集めることであった。

よくお世話になっているエロサイトのカテゴリ名やタグ名から、「BUKKAKE」に続いてくれそうな有望なキーワードを抽出し、適宜、自身の豊富な知識と数少ない経験も頼りにエロ用語を追加していった。

特に、Wikipediaの「性風俗用語一覧 (カテゴリ別)」には助けられた。心より感謝を申し上げる。

STEP2 日本語のエロ用語を整理する

収集した日本語のエロ用語は、Excelを使って以下の項目で整理することにした。

  • エロ用語

  • エロ用語の発音のローマ字表記

  • エロ用語の英訳

  • 英訳時に参考とした情報

  • 品詞(名詞/動詞/形容詞/副詞)

品詞の種類については、なるべくバランスよく散らばるように心がけたが、まさか「品詞」などという言葉を再び使う日が来るとは思わなかったし、Excelをこんな目的で使う日がやってくるとも思わなかった。

昇順でソートしたのち、以下のようなものを削除していった。

  • 重複しているエロ用語

  • そもそも英語由来と思われるエロ用語

  • すでに英語化されているエロ用語(ただし、一部はあえて残した)

  • 国境を越えて伝えるのにはハードルが高すぎるエロ用語

  • 訪日外国人観光客を刺激しかねない性犯罪の匂いが強めのエロ用語

昇順でソートしたときの光景は、エロワード界のオールスターが勢ぞろいといった感じで、何とも言えない高揚感があったのを覚えている。

STEP3 日本語のエロ用語を英語に翻訳する

次に、英語翻訳・英語辞書サイトなどに頼りながら、日本語のエロ用語を翻訳していく。もし、対訳が見つからない場合には、「二穴同時挿入 英語」などでGoogle検索すると見つかるケースが多かった。

また、エロ用語の英訳をすでにまとめてくれている個人サイトなどもあり、大変お世話になった。なお、上述したWikipediaの「性風俗用語一覧 (カテゴリ別)」は、英語版Wikipediaに対訳があるものも多く、本当に助けられた。

詳しくは性欲で学ぶ日常エロ英語例文50選(中学英語レベル)- Sexy & Erotic Japanese Dictionaryの末尾にある「Special Thanks」の項を参考にしてほしい。先人たちの知恵と努力には頭が下がる。

ちなみに「痴女」は「Tasty」と訳されるらしく、日本で流行しているらしい某キャンディーゲームのダンディなおじさんが「この痴女め」とプレイヤーを言葉で辱めていたという真実を知り、驚きを隠せなかった。

STEP4 エロ用語を使えそうな英語例文を探す

ここまでで、日本語のエロ用語とその英訳などが出そろったことになる。
あとは、ベースとなる英語例文を用意するだけだ。

そこで、そもそも「中学英語からやり直そうとした」との経緯があったので、この年にして初めて日本の文部科学省の学習指導要綱とやらをのぞいてみることにした。すると、参考となる基本的な英語例文を豊富に見つけることができた。

しかも、指導要領には「外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う」との目標が掲げられており、本企画の主旨とも志を同じくするものであったため、積極的に活用させていただくことにした。

STEP5 エロ用語を英語例文に挿入する

あとは、用意しておいたエロ用語の発音のローマ字表記をひたすら英語例文のなかに挿入し、完成形のフォーマットに沿って例文のカテゴリ名や例文和訳、重要単語などをそれぞれ配置していくだけである。ただ、無理やり突っ込んだものもあり、意味不明な英語例文も少なくないかと思う。許してほしい。

あるいは、本企画を手伝ってくれそうな日本語が話せるアメリカ人を知っている方がいれば、ぜひ紹介していただきたい。独身であり、女性であること以外に特に条件は設けない。

性欲で学ぶ日常エロ英語例文(中学英語レベル)を50選するために大切な5つのこと

1. 作業ファイルは偽名をつけて保存すること

なるべく他人が開こうとしない名前がいい。仮にこの作業をしているときに急死したとしても(わたしは常にこのことばかり心配していた)、エロ用語満載の不可解なExcelファイルが遺言になってしまわないように。ちなみに、わたしは文字化けした言葉をファイル名にし、ファイルが破損しているかのように見せかけておいた。

2. ブラウザはシークレットモードで作業すること

当初、通常モードで作業していたら、ブラウザの閲覧履歴がかなり危ないものになってしまった。仮にこの作業をしているときにFBIに突入されても無用な尋問を受けないように、シークレットモードで必ず作業をしよう

3. ファイルはこまめに保存すること

パソコンが再起動をはじめ、保存していなかった膨大な作業が消滅したときには、精神が本当の意味で壊れそうになった(本当じゃない意味が気になる人は、コパ・デリカの裁判傍聴記録集「大いなるリンゴ」を参照のこと)。

不意に画面が消えたときに、暗転したディスプレイに映し出されたわたしの表情は、きっと一生忘れられないトラウマとして残ることになると思う。この作業は一度だけ通り過ぎるのが限界で、二度も繰り返すには相当にタフな精神力が求められることを絶対に忘れないでほしい。以降、わたしは「ctrl」と「s」の印字が擦り切れるほど、上書き保存を繰り返すようになった。

一日の終わりには、クラウドにもファイルを保存した(PCが二度と起動しなくて精神が本当の意味で壊れてしまうリスクに備えて)。同時に、宛先が知人や友人やCIAの通報用アドレスになっていないことを死ぬほど何度も確認したあとで、自分宛にファイルをメールで送付した(クラウドサービスからデータが消失して精神が本当の意味で壊れてしまうリスクに備えて)。

4. エロ動画の誘惑には屈しないこと

ここマンハッタンには「Many go out for wool and come home shorn(ミイラ取りがミイラになる)」ということわざがある。つまり、エロ用語を収集しているときにエロ動画を見続けることになってしまっては意味がないというわけだ。屈強な精神力で誘惑を跳ね除けなければならない。

幸いにも、わたしが性欲に負けたことは一度もなかった。
そう言っても過言ではないはずだ。

5. 栄養管理をしっかりすること

わたしのように独り身ならまだしも、家族や同居人などの周囲の目を気にして深夜や早朝に作業を続ける場合、体力の消耗は命取りとなる

わたし自身、ブラック・フライデーやクリスマスシーズンの雰囲気が漂うマンハッタンの隅っこでこの作業をずっと続けていたときには、何とも言えないネガティブな気持ちに何度も陥った。気力を失わないためにも、しっかりと栄養だけは摂取しておきたいところだ。

ただし、エロ用語の英訳を探していると、なかなかにグロテスクな画像が目に飛び込んできたりもする。食欲が極度に減退してしまうこともあるので注意が必要だ。特に「包茎(phimosis)」の画像には気をつけるように。

あとがき

実は、紹介しきれなかった例文集がまだまだ取り残されている。

ただ、今回はこの辺で終わりにさせていただきたい。なぜなら、ビッグ・ディック氏が忽然と姿を消したからだ。「クリスマスの挨拶を」とビッグ・ディック氏の名刺に記されていた(よく見ると手書きだったのだが)某有名誌の編集部に連絡を入れたところ、「そのような人物はおりません」の一点張りで、いっこうに相手にしてくれなかったのである。

いつの日かこの記事がビッグ・ディック氏の目に触れ、見事に再会を果たせたときに、彼との初めての仕事として残りの例文を第2弾として世に出すことができたら、これほど嬉しいことはない。そして、その編集担当にはメアリー、きみが必要なんだ

わたしが書きたいことは、これですべてになるんじゃないかと思う。きっと。

なんだか、まるでつわりのように、酸っぱいものが無性に食べたい。冷蔵庫へと走り、冷や飯にMishimaのYukari(ゆかり)を振り、マヨネーズをぶっかけたものを貪りたい。生理と精液が混じったような臭いと見た目に吐きそうになりながらも、とにかくすべてを飲み込んでしまいたい。すると、急に深い眠気が襲い掛かってくるはずだ。そしたら、しばらく眠ればいいじゃないか。もし、起きることがあれば、世界は2015年になっているのだろう。きっと。

A Happy New Year !!