田辺ひゃくいちの冒険

踏みつけたくなるウンコを求めて。

【速報】検便のやり方で気をつけるべき7つのこと

人間ドックを2日後に控え、病院から届いていた当日の説明パンフレットをようやく開いた。そして、「2日間に分けて便を採取せよ」との指示を目にし、自身が想像以上に厳しい状況に立たされていることを知った。

もはや、一度たりとも失敗できないじゃないか。そんな激しき重圧に押しつぶされかけたとき、下記の有益なスクープ情報が現場に飛び込んできたのである。

検便における正しい採便方法(株式会社 東邦微生物病研究所)

至急、入手した新情報をもとに「検便のやり方で気をつけるべき7つのこと」としてレポートにまとめる。速報のため、画像に乱れもあるかもしれないが、ご容赦いただきたい。

検便のやり方で気をつけるべき7つのこと

1. まんべんなくこすりとってはならない

こちらの画像の通り、病院からの説明パンフレットには「まんべんなくこすりとる」「便を取り過ぎないように」と書かれており、そのジレンマを前にパニックに陥りかけてしまっていた。

ただ、入手した新情報によれば、「便の表面にスティックの先端部を2~3回突き刺す」もしくは「スティックの先を便の表面で回転させながらこすりつける」といった方法で「先端の穴の部分に便が埋まる程度だけ」採取すればよいとのことである。

騙されてまんべんなくこすりとろうとすれば、確実に便を取り過ぎてしまう。
しっかりと肝に銘じてから臨もう。

2. 冷蔵庫で保存してはならない

病院からの説明パンフレットには「採便後は冷暗所で保存」と書かれており、万が一に備えて冷蔵庫での保管も覚悟していた。

ただ、入手した新情報によれば、「直接日光を避け、室温保存してください」とあり、「冷蔵庫保管は不要」とまで丁寧に書かれている。ならば、冷蔵庫に入れるのはやめよう。自身の成れの果ての姿を見た食材たちを絶望させ、腐らせないためにも。

なお、タバコを吸う方は、なるべく机などの手近な場所にも置かないほうがいい。採便容器が角型の場合はライターと酷似しているため、口元に近づけてしまう危険性も捨てきれないだろう。

3. 逆座り法にこだわる必要はない

病院からの説明パンフレットに描かれた検便方法の図解である。「逆座り法」と呼ばれるもので、ペーパーに落ちた便から採取するわけだ。ただ、自宅の便器は右隣にウォシュレットがあるため、左足を差し込む隙間が細すぎる。左足だけライザップにでも通わせないと到底達成できそうにない完成図を前に途方に暮れていた。

そこで入手した新情報を見ると、他の効果的な方法として「排便途中に一度、多めのトイレットペーパーで肛門を掴むような感じで拭けばOK」とある。たしかに、これなら採便しやすく安心かもしれない。諦めたくない気持ちも分からなくはないが、逆座り法にこだわるのはやめよう。

4. 成功に安易な近道などは存在しない

「肛門を掴むような感じって肛門が掴めるわけないじゃないか!」と自暴自棄になり、安易な近道を選ぼうとしてはいけない。入手した新情報に記された注意書きを見れば、その行為があまりにも危険すぎるということは明らかだ。

スティックを直接肛門に挿入し便をとらないでください。(怪我します)

5. 不可思議な注意書きにいちいち突っ込んではならない

「中のゼリー状の培地は飲めません」
→ 誰がどういった状況で飲むのかな?

「採便の目的以外には使用しないでください」
→ どんな使い道があるのかな?

などと、検便容器の注意書きにいちいち突っかかり、世の中に存在する幾多の可能性(性癖)を探り出そうとするのはやめよう。今は、便を採取することだけに集中すべきはずだ。

6. 最適な採便量を画像で確認する際には慌てない

どのくらい便を採取すべきか。分かりやすい画像が入手した新情報のページに公開されている。

画像は、実物ではありませんが、リアリティがありますので、人によっては嫌悪を感じる方もいらっしゃると思います。閲覧には、その点にご注意ください。また、食事中の方はご覧にならないのが無難と思われます。

では、こちらをクリックしてご覧ください。

「見ないほうが無難」と忠告した直後に「では、ご覧ください」と真顔で続けているあたりに狂気も感じるが、味噌か生キャラメルとでも思えばなんともないだろう。そう考えて見てはみたものの、実際に目にするとなかなかにリアルであった(棒の真ん中あたりに少し付着してしまっているじゃないか)

※画像(閲覧は自己責任で) (参照)自己責任とは

なぜ、この画像なのか。もっと良い成功例はなかったのだろうか。そんなやりきれない気持ちにも襲われるが、「こんなんでもいいのか」と採便者の緊張を解くために、あえて親しみやすい画像を用いてくれたのかもしれない。そう納得して、心を落ち着かせよう。

7. 検便のマスコットキャラクターについては深く考えない

ウンコに口がある、ウンコは何を食べるのだろうか、ウンコはウンコを排泄するのだろうか、あるいは排泄せずに自己の一部とするのだろうか、あるいはそもそも自己を食べるのだろうか、なんで左手でピースをしているのだろうか、左手首に巻いてあるように見えるのは指だろうか、それともアップルウォッチだろうか――絶対に深く考えようとしてはならない。

さいごに

真実を正確に把握しつつも、あくまで深入りはしない。もしかしたら、そのバランス感覚こそが、これからの時代の検便に求められる正しい姿勢なのかもしれない。

取り急ぎ、現場からのレポートは以上である。