田辺ひゃくいちの冒険

踏みつけたくなるウンコを求めて。

中国語でキャッチコピーを書けるようになりたい日本人の悪あがき(2)

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前回のウォシュレットの中国語キャッチコピー「中国人和日本人的肛门都一样。(中国人も日本人もおしりの穴はおんなじです。)」を中国版Twitter微博」に投稿したところ、中国人のユーザーから「中国人は、フランスへ本場のワインを買いに行くように、日本へ良質なウォシュレットを買いに行くのさ」とのコメントが届いた。

ウォシュレットの本場・日本……それはそれで、かっこいいかもしれない。

とりあえず今回も、中国語の面白いキャッチコピーの構造をまるっとパクり、中国語のキャッチコピーを自分で書いてみる「何事もまずはモノマネから入るべし」シリーズ、スタート。

中国語のキャッチコピーを見てみよう


(参照:http://blog.qq.com/qzone/5678954/1238719102.htm

原文:去上班 还是去坐牢?
和訳:仕事に行きますか。それとも牢屋に入りますか。

こちらは「違法ビジネスに手を染めるな」と告知する中国語のキャッチコピーである。「还是(それとも)」を使って、選択を迫っている表現だ。

参照先の記事によれば、シンガポール(新加坡)の道端に掲げられた広告で、外国人労働者に向けたメッセージとのこと。なお、シンガポール住民の70%以上が華人(中華系)であり、全体の約50%が中国語を第一言語としているらしい。

シンガポール - Wikipedia

今回は上記の「还是(それとも)」を使ってキャッチコピーを書いてみることにする。

ちなみに「上班」が出勤、「下班」が退勤、「加班」が残業を意味する。中国で現地法人の総経理としてスタッフを管理していた際にも感じたのだが、中国人社員はあまり残業を好まない。「残った仕事」ではなく「加えられた仕事」と書くあたりにも滲み出ているような気がする。

中国語でキャッチコピーを書いてみよう

原文:在日本买奶粉,还是回中国养奶牛?
和訳:日本で粉ミルクを買いますか。それとも中国で乳牛を飼いますか。

日本にやってきた中国人観光客向けに、粉ミルクのキャッチコピーである。

中国国内の粉ミルクは、製造過程でメラミンが混入した事件の影響もあり、品質が不安視されているようだ。つまり、「安全な粉ミルクが欲しいなら、日本で買って帰らないと、中国で乳牛から育てなきゃならなくなりますよ、中国の粉ミルクは危ないんだから」という意味である。関連の企業の方、ぜひご使用を。

ただ、中国人観光客の粉ミルク買い占めがドラッグストアなどで問題になっているように、すでに日本の粉ミルクは抜群の人気である。わざわざ販売を促進するキャッチコピーを用意する必要はないのかもしれない。と、書いたあとに思った……。

ちなみに、「日本人はこの世から消え去れ」と反日的なメッセージをさっきまでSNSに投稿していたはずの中国の知り合いから「日本の粉ミルクを送ってほしい」と頼まれたりもする。「中国人は政治的な視点と生活的な視点は別物として切り分けているから」とのことである。

本当は「日本人に消えて欲しいのですか。それとも日本の粉ミルクを送って欲しいのですか」というキャッチコピーも考えたのだが、「政治問題が絡んだ皮肉は、笑いでは済まされないかもしれないから危険」とのアドバイスを参考に、中国語にはしないでおく。

>> 中国語でキャッチコピーを書けるようになりたい日本人の悪あがき(3)