沖縄へノリで行ったら梅雨明けどころか梅雨入り直後だった旅行記(無駄に動画あり)
ざっくり言うと、沖縄旅行の値段が異様に安かったので、「沖縄ならもう梅雨明けしてるかもね」などと何も深く考えずに奥さんとノリで行ってみたら、梅雨明けどころか梅雨入り直後で暴風雨だったという話である。
二人にとっては久しぶりの旅行で、まさかの予約不可・先着順だという羽田空港行の高速バスの席を死守するべく、明け方のバス停に1時間前からスタンバイしていたことからも、その浮かれっぷりは如実に表れているかと思う。結局、15分前まで誰も来なかったし、ガラガラだった。
ほぼ眠らずに列に並んだせいで(誰もいなかったけど)鼻のねじが外れたらしく、京風のダシ汁のようにサラサラとした鼻水が止まらず、鼻セレブでひたすら拭きまくりつつ、「南国の風に吹かれれば一瞬で治ってしまうさ」と那覇空港へ意気揚々と降り立ったところ、鼻水よりもはるかに激しい勢いで雨風が吹きまくっており、ジャスティンビーバー気取りのサングラス姿のわたしたちを真冬の択捉島並みに凍りつかせた。
青空の写真を合成しやすそうな青ひとつない真っ白な雲空から目をそらし、せめて南国のドリンクでも口にいれて気分を変えようと空港の自販機に駆け寄ったら、
なんとも縁起が悪い。
空港からレンタカー屋まで向かうシャトルバスの中ではなぜか鎌倉のラジオが流れ、「今日はすごい青空ですねー!」などとDJが話し、梅雨入りした沖縄だけ大雨が続くでしょうとの天気予報まで聞こえてきて、運転手さんのナイスな選局に涙そうそう。
そんなとき旅行会社から緊急の電話が入り、「帰りの便が欠航になり、より早い時間でお帰りいただかなくてはならなくなってしまった。お詫びに1万円を返却させていただく。せっかく到着した直後にもかかわらず水を差すようで申し訳ない」とのことで、わたしたちはせっかく到着した直後にもかかわらず大歓喜した。なにせ滞在中の天気予報はすべて大雨なわけで、すでに早く帰りたいのである。お互い口には絶対に出さなかったけど。
実際、沖縄の空はずっとこんな状態であった(助手席より撮影)。
動画だと分かりづらいかもしれないが、念のためにつけておいた初心者マークが風で空に飛び立ち、二度と戻らなかったほどの暴風雨だったのである。
ちなみに、レンタカーにはiPodとつなげられるジャックはなく、旅行前に入念に準備しておいたサザンの名曲たちは聞けず、レンタカー屋からホテルまで島袋寛子氏の「いいね! OKINAWA!」なるローカルなラジオ番組をフルで聴くことになった。まあ、それはそれでおもしろかったんだけど。
ホテルに到着すると、奥さんはヤケになったのか、「博多名物」と大きく書かれた弁当を貪りはじめ、「雨なら雨でビラミ水族館へ行けばいい」と呪文のように何度も繰り返した。それは「ちゅらうみ」と読むのである。
わたしはというと沖縄旅行の時間を確保するべく夜遅くまで仕事を続けてきた日々のツケが回ってきたのか、いつのまにか眠り込んでしまっていた。目を開けると、奥さんが鬼の形相で立っている。ホテルのフロントまで行って開けてもらった、と。どうやら、奥さんが「ちょっとだけ出てくるから開けてね」とカードキーを持つことなく部屋の外に出た瞬間、なんともタイミングよく寝落ちしてしまったらしい。
そんなこんなの仲良しさで国際通りへ向かうも観光客は少なく、土産物屋の呼び込みの圧力を一身に浴びることとなった。ここは歌舞伎町かと錯覚するほどにしつこい土産物屋の呼びかけを最大限の笑顔のまま無言でスルーすると「なんだ中国人か」などと悪態をつかれたりするもんだから、もうカメラに逃げることにした。
といってもカメラが撮りたがっている空も海もフリーズしたMS Wordみたいな様相だったので、沖縄のテキストたちを撮影してみることにした。「テキスト採集」が趣味なのである。
以下、ざっと載せていく。
▲「ゴーヤは履いても健康です。」
しかと胸に刻んでおこう。
▲「米軍放出品 かつらの店」
My hear is dead.
▲「ニャンそ〜れ〜」
おや、猫カフェかな。
▲「当店は雑貨屋です。猫カフェではありません」
ごめんなさい。
▲「沖縄の恋人」
念のため、白い恋人ではない。
▲「シュ!」
右から左へ文字が流れて最後に「シュ!」でいったん止まる、のトロピカルリピート。
▲「当店の推しチンはこれだ!ちんこすこう」
修学旅行生の男子たちが大喜びしていた。
▲「寝耳にちんこ」
寝耳に水どころじゃないやつ。
▲「後悔ちんこ立たず」
悔やんでも悔やみきれないやつ。
▲「シーサーはあなたを見ています。」
なんだろう。この威圧感。
▲「サカサクラゲ」
なぜか駐車場の入り口にあった落書き。
▲「点が集まって 店に集い 展示する」
沖縄でもアーティストたちは活躍している。
▲「ヘンタイカメラ作動中」
沖縄でもヘンタイカメラは作動している。
▲「沖縄の雑誌・書籍の発売日は2日〜5日遅れています。」
沖縄らしくてすごくいい。
とまあ、こんな感じで、沖縄旅行が終わりかけた最終日。レンタカー屋へ車を返しにいく途中に、ほんの少しだけ晴れ間が出た。
で、まさかと思って助手席を二度見してしまったのだが、青空の下に広がる沖縄のビラミをみた奥さんが号泣していた。一体、どれだけ待ちわびていたのだろうか。また連れていってあげよう。
なお、申し遅れたが、冒頭の写真はシーサーの後頭部である。それでは。