田辺ひゃくいちの冒険

踏みつけたくなるウンコを求めて。

中国語でキャッチコピーを書けるようになりたい日本人の悪あがき(4)

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悪あがきというものはしてみるものらしく、先日、中国語でキャッチコピーを書くお仕事が本当に届いた。嬉しかった。詳細については書いてもよさそうな段階になったら書こうと思う。

とりあえず、「日本人なのに中国語のキャッチコピーを書けるのか」ということへの挑戦は、想像以上に難しく、想像以上に楽しかった。引続き、精進あるのみである。

ということで今回も、中国語の面白いキャッチコピーの構造をまるっとパクり、中国語のキャッチコピーを自分で書いてみる「何事もまずはモノマネから入るべし」シリーズ、スタート。

中国語のキャッチコピーを見てみよう

原文:吃鸡补鸡鸡 吃蛋补蛋蛋
和訳:ちん(鶏)を食べればちんちんに。たま(卵)を食べればたまたまに。

とある養鶏場の看板広告らしい。
なんとも和訳するのが難しいキャッチコピーである。

まず、中国で「鸡(ジー)」は「鶏」の意味なのだが、「鸡鸡(ジージー)」は「ちんちん」の隠語である。同じく「蛋(ダン)」は「卵」の意味なのだが、「蛋蛋(ダンダン)」は「たまたま」の隠語である。

つまり、「鶏や卵を食べることが身体にとって重要である」ということを男性にとって最も大切な場所の隠語に掛けて書いているわけだ。素晴らしい勇気である。

中国語のキャッチコピーを見ていると、言葉のリズムを意識したものが多い気がするのだが、このキャッチコピーも「ジー」と「ジージー」、「ダン」と「ダンダン」が続き、語呂がよい。ついつい街中やオフィスで口ずさんでしまいたくなってしまう。

ちなみに、中国赴任中も卵は必需品であった。街中のいたるところにある小さな市場へ出向くと、大量の卵が積まれている一角があり、そこで買うのだ。日本とは違って、卵の殻は糞まみれなわけだが、店主に気に入られると、よりきれいなやつを選んで渡してくれるようになるらしい。

わたしがよく通った店のおっちゃんは極度のヘビースモーカーでいつも中国製煙草特有の甘ったるい煙を吐きながら、わたしが買いに行くと糞まみれの卵ばかりを迅速に選び、わたしの奥さんが買いに行くとピッカピカの卵ばかりを迅速に選んだ。試しに二人で買いに行ったら、なんとも気まずそうな顔をしてにやけていて、そういうところが中国の魅力なのではないかと思う。

中国語でキャッチコピーを書いてみよう

原文:弟弟不穿,妹妹不脱。
和訳:おちんちん(弟)が着なければ、おまんまん(妹)は脱がない。

同じく隠語を使いつつ、コンドームのコピーを書いてみた。
しっかり避妊しようぜというわけだ。

まず「弟弟」は「弟」、「妹妹」は「妹」という意味だが、「小弟弟」は「おちんちん」、「小妹妹」は「おまんまん」という意味になる。つまり、キャッチコピー自体は「弟が着なければ、妹は脱がない」といやらしくもなんともない内容なのだが、「コンドームの広告」とわかった瞬間に、隠語に掛けられていることに気づくというわけだ。

ネイティブの子に聞いてみると、キャッチコピーの左辺と右辺を見比べたとき、「弟弟」と「妹妹」、「不穿」と「不脱」が対比になっていて語呂もよく、左辺と右辺の文字数も同じなのでリズムもよいとのことであった。ぜひ、中国でコンドームを現地生産している「オカモト」の関係者の方、使ってみてほしい。

ちなみに「オカモト」が進出していることからも分かる通り、中国では日本のコンドームの人気は高い。厳密に言うと、中国製の日本ブランドのコンドームよりも、純日本製の日本ブランドのコンドームのほうが格上のようだ。中国生活中に所属していた野球チームのキャプテンが「純日本製のコンドームを持っていくと風俗嬢が喜んでまたがってくるんだよ」と爽やかに話していたことを覚えている。

もちろん、アダルトグッズも同様に純日本製の人気は高いらしい。個人的には将来、純日本製のアダルトグッズを訪日中国人観光客に向けて売りさばく店をやってみたいと若干の本気で考えている。純日本製アダルトグッズの中国向けコピーをどこよりもわかりやすく、おもしろく書くのである。ああ、なんて幸せな日々だろう。