田辺ひゃくいちの冒険

踏みつけたくなるウンコを求めて。

「宣伝会議賞でグランプリを受賞した今」に届いた15の質問への回答

宣伝会議賞の賞金を口座に振り込んでもらうために必要な用紙を記入して、いざ返送用の封筒を閉じようとしたら糊がない。仕方なく、協賛企業の方が贈賞式参加者にプレゼントしてくれたセメダインで閉じようかとも思ったのだが、万が一開けられなくなって賞金が振り込まれなかったら困るしな。あ、これって、CMに使えるかな。うーん。分かりにくいからダメか。

前回の記事「宣伝会議賞でグランプリを受賞した今、少し大げさで恥ずかしいけど素直に思うこと(殴り書き)」がどんな風に各所で罵倒されているのかを見るのが恐ろしくて、公開当初はそんなことを考えて現実逃避をしていたものの、少なくとも今のところは各所より温かい言葉を掛けていただけている。もしかしたら、この「温かさ」というものが、今回の宣伝会議賞を通して最も強く感じたことかもしれない。

例えば、こちらの記事だってそうだ。

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ものすごく素敵な出だしで始まり、「無職の期間が長かった」という実際の言葉を「無職の期間があった」とオブラートに包んでくれたり、「『すぐにゆうちょ銀行に預けるつもりです』と答え、会場を楽しませた」だなんて書いてくれたり、気の利いたコメントを言えなくて申し訳なく感じていたわたしにとってはすごく温かく感じられた。

元はと言えば、この「ゆうちょ銀行に預ける」という言葉だって、当日の司会を担当してくれたフジテレビアナウンサーの桜庭亮平さんと梅津弥英子さんが「あとは足で軽く触れるだけ」という温かいパスを鈍臭いわたしに対して何度も何度も出してくれたから発せられたものに過ぎない。実際の動画を見れば明らかだ。

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途中で登場した女優の小芝風花さんも「なんか緊張しますね」と微笑みながら声を掛けてくれて、無数のフラッシュを前にして強制シャットダウン寸前だったわたしを救ってくれた。わざわざ、しっかりと名前を入れた記事まで書いてくれて、本当に温かい方だ。

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ゆうちょ銀行の人たちも、贈賞式後のパーティー会場の端っこでボーッと佇んでいる、ひどい人見知りなわたしに対して懲りずに何度も声をかけてくれたし、わざわざ壇上にまで引き上げてくれたりと、最後の最後まで本当に温かく接してくれた。今、こんなお下劣ブログを書いている奴だったと知ってショックを受けているだろうか。申し訳ない。

中でも特に温かかった思い出は、贈賞式の夜に開かれた飲み会でのこと。「受賞したコピーはネガティブだから」と自虐的な発言をしたわたしに対して、「そのコピーは全然ネガティブじゃない」と言ってくれた人がいた。本当はわたし自身もネガティブだなんて思っていたわけじゃないのだけど巧く説明できなかったので、堂々と誰かに言い切ってもらえたことはとてもありがたかった。

その人はかなり酔っぱらっていたような気もするのだが、発言を要約すると「自身の恥や弱みをいかに受け入れるかが大切」ということだった。たしかに、自身の恥や弱みをしっかりと受け入れることができて初めて、他の誰かを前向きにさせられる表現のスタートラインに立てるような気はする。ただ、このスタートラインにまぐれ当たりじゃなく、当たり前のように何度も立てるようになるにはどうすればいいのか。そして、そのスタートラインの先にはどんなゴールが待ち構えているのか。まったくもって、今の自分には想像もつかない。

気を付けなければいけないのは、恥や弱みをさらけ出したり、垂れ流したりすることは、受け入れることとは違うということ。それは開き直っているだけに過ぎないし、きっと誰かを後ろ向きにさせてしまうはずだ。自戒を込めて、そう思う。

どうして、ごちゃごちゃとこんな御託を並べているのかというと、前回の記事の末尾で募集した質問に対して正直に答えるための気持ちの準備をしているのである。恥をさらけ出したり垂れ流したりすることなしに巧く答えられるかどうかは不安なのだが、順不同で以下に回答させていただく。(なお、質問内容はこちらで要約・編集させていただいた)

宣伝会議賞・15の質問への回答

Q1:どのくらいの本数を応募したのですか。
20本くらいです。


Q2:コピーライターになりたいのですか。
コピーを書いてみたいとは思いますが、具体的に自分が進むべき道はまだ見えていません。ただ、ゼロからコトバを生み出すような機会とライバルにはできるだけ多く出会いたいです。


Q3:わたしは学生です。なぜ就活をしなかったのですか。
大手広告代理店の説明会かなにかには一度だけ行きましたが、同じ色のスーツを着た大量の学生が一列に並んでいることになぜかひどく気落ちし、そのままやめてしまいました。また当時、文芸評論家・福田和也氏の小説ゼミに所属していたのですが、卒業課題かなにかで創作した自身の小説の論評の場で「これからも小説を書いていってほしいと思います」と彼がボソっと漏らした言葉を真に受けて、ウ〇ンコみたいな小説を書きつづけてしまったのも就活から遠ざかってしまった要因かもしれません。まあ、ご本人はその言葉どころか、わたしのこと自体も覚えていらっしゃらないでしょう。結論から言えば、就活はちゃんとやったほうがよいと思いますよ。ほんとに。


Q4:失礼ですが、ご家族の構成は?
父と弟が天国、母が地上です。


Q5:SFC出身なんですか。
はい。辻堂の「ホロン」という学生寮で致命的な先輩や同輩たちと致命的な生活を送っていました。良い意味で。


Q6:一緒に何かやりませんか。
ありがとうございます。ぜひ、面白そうなことがあればお願いします。面白いことよりも面白そうなことのほうが好きです。


Q7:足立区が地元ってことは下層民なんですか。
大変恐縮なのですが、SNSのプロフィールを拝見すると木村カエラさんがお好きなんですよね。彼女、足立区出身みたいです。


Q8:慶應出身ってことはボンボンかなにかですか。
慶應生=金持ち」ではありませんし、ボンボンは奨学金を借りたり、ふかしたジャガイモで生き延びようとなんてしないのではないかと思います。


Q9:学生時代に受賞したCMコンテはどんなものだったのですか。
たしかFOMA(携帯テレビ電話)のCMで、黒須美彦さんから審査員賞っぽいものをいただきました。彼女が彼氏と話しているときにFOMAを机と机のあいだに落としてしまうのですが、その隙間に手を伸ばして必死に取ろうとする彼女の醜い顔が彼氏のFOMAに映し出されて、彼氏が「がんばれ、がんばれ」と応援しながら爆笑しつづける。そんな人生で一度も経験したことのないような幸せなシーンをコンテに怨念を込めて描きました。


Q10:小説は今も書いているのですか。
また書いてみたいとは思っています。


Q11:某テレビ企画とはなんですか。
目隠しされて連れ去られる系のやつです。


Q12:奨学金の返済は終わりましたか。
……まだです。


Q13:中国はどうでしたか。
現地の健康的な食用油のおかげで15kg太りました。


Q14:将来、情熱大陸に出てみたいとか思いますか。
はい。ただ、タモリ倶楽部に出るのが夢です。


Q15:貯金とかはなしにして、マジの賞金の使い道はなんですか。
とりあえず、人間ドックに行く予定です。マジです。


上記の質問の半分以上を送ってくれたお二方に心より感謝いたします。

なお、Facebookをはじめました。スパム以外の友達申請は誰でも受け入れることによってオープンで大らかな性格とやらを演出しようと企んでいるので、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは。