死ぬまでに一度は見たいとも思わない世界の絶景(1)六本木ヒルズ族の休日
死ぬまでに一度は見たいとも思わない世界の絶景。第1回目の舞台は六本木。六本木といえばヒルズ族である。今回は、六本木ヒルズに住まう人々の休日の風景を追いかけてみる。
まずはケイタ。
ヒルズ族は休日も忙しい。
ただ、あまりに急いで駆け込んだせいで、
扉の向こうにいた人に怪我をさせてしまう。
すぐに白ずくめの男たちがやってきて、
ケイタはスーツ姿で必死に謝罪したものの、
結局、ギロチン刑に。
こちらはファミリー。
サチエ「ボーッとしてないで、さっさと粉ミルクでも買ってきてよ!(怒)」
ヒロシ「……。」
ヒロシ「……。」
ルリコ「なによ、いきなり、こんなところに呼び出して」
ヒロシ「いいか、こっちを向かないまま聞いてくれ。おれと一緒に逃げよう」
ルリコ「え!?」
ヒロシ「バカ、こっちに顔を向けるな!」
ルリコ「ご、ごめんなさい……でも嬉しい」
二人を遠くから見つめる、サチエ。
サチエの通報を受けてやってくる、白ずくめの男たち。
結局、ヒロシもギロチン刑に。
さっきから、赤い男がわたしのことを見つめている。
気のせいだろうか。
ひとまず、エレベーターで2階へ移動しよう。
エレベーターの扉には「手を挟まないように」との警告が。
しかも大量に。
でも結局、怪我をしている。
2階に到着。
やはり、赤い男もついてくる。
間違いない。
わたしのことをつけている。
わたしは逃げる。
わたしは逃げる。
追いかけてくる黒ずくめの男たち。
わたし「奴らに追われてるんです!六本木ヒルズから抜け出せる出口はどこですか」
受付嬢「あちらのエレベーターの裏にある階段をのぼってください!」
わたしは「ありがとう!」と告げて、階段を駆けのぼる。
彼女も奴らの仲間だとは知らずに。
階段の先は、行き止まり。
すぐ後ろには黒ずくめの男たち。
窓をあけると、はるか下の地上を歩く人たちが米粒のように見える。
「それ以上、近くに来たら、この窓から飛び降りて地面でグチャグチャになってやるぞ!」
窓枠に足をかけて脅す、わたし。
動揺する黒ずくめの男たちのあいだから姿を現す、赤い男。
わたし「ま、まさか、おまえは……ギロチン刑で死んだはずじゃ……!」
地面清掃中。