田辺ひゃくいちの冒険

踏みつけたくなるウンコを求めて。

日本人&中国人のダブルの女性と国際結婚することになって驚いたこと(1)

かつて中国にて約4年間、働いていたことがある。
そこで日本人と中国人のダブルの女性と出会ってから約5年が過ぎた。

無事にこれから婚約・結婚へと進むことになるわけだが、お相手の国籍は日本とはいえ、中国で暮らした時間のほうが長いため、考え方や価値観の面で驚くことも少なくない。いわば国際結婚のようなものである。むしろ、日本人との違いが見えにくいダブルだからこそ、余計にややこしい面もあるのかもしれない。

そこで今後、同じような経験をするかもしれない方のために、何回かに分けてエピソードを書きのこしておこうと思う。「結婚は人生の墓場」と聞くし、まあ、遺書のようなものだ。

極めて個人的な体験になるため役に立つかは分からないのだが、少なくとも満員電車でウンコが漏れる寸前なときのクソの足し程度にはなってくれることを願っている(漏れる)。

足の匂いを嗅がないと怒り狂う

彼女は一日中履きつづけたブーツを脱いで、靴下を脱ぐと、その脱いだ靴下を使って足の指のあいだにたっぷりとついた得体の知れないカスたちを何とも適当に取り除く。まさかとは思うが、これで準備完了なのだ。カスが残る5本の足の指を目いっぱい広げると、「嗅いで」とにやけながら、世界中のどんな肉まんよりも蒸れた足の裏をこちらへ伸ばしてくる。

わたしが脊髄反射的に顔をそむけると、「今日のはヤバいよ!」と何が嬉しいのかまったくもって意味不明なのだが、満面の笑みで追いかけくる。それでも逃げようとすると突然、「嗅いでえええええ!!!」と怒り叫ぶ。もし、さらに逃げようとでもすれば、部屋中のありとあらゆるモノが彼女の豪腕によって時速140kmくらいで次々と飛びかかってくることになるだろう。

仕方なく鼻を遠慮がちに膨らませる。クンクンしながらも息はしない。
いつの間にか身についてしまった自己防衛策だ。

だが、無情にも「直接、鼻をつけて!!!」との地獄行きが宣告される。鼻をつけたあとも息を止めてはいたのだが、「吐息が感じられないいいいい!!!」との警告が鋭く響く(吐息って)。覚悟を決めて、開かれた足の指の間にてガスマスクなしで息を吸い込むしかない。

それはまるで、タンスの角に小指をぶつけたゴキブリのように見えるに違いない。わたしは「酸っぱぱぱああああああ!」と床でのたうち回りつづける。

そんな光景を幸せそうに眺めながら、「ミツカンあし~ぽん! 〇〇(婚約者の名前)ぽんっ♪」というお決まりのサウンドロゴを得意気に歌うのである、彼女は。

断りなく見知らぬ誰かとご飯を食べたら怒り狂う(食べてないのに)

それだけならまだ良いのだが(まあ、良くないのだが)、その30分後。彼女はわたしの口元を嗅ぎ、「今日、なんか変わったもの食べた?」と顔をしかめてくる。

わたしは「別に。いつもの定食屋の匂いじゃないの」と適当にはぐらかすのだが、彼女は「ふーん。なんかすっごいスパイシーなもの食べたんだ? 珍しいね」とわたしを鋭く睨みつける。

そして、今度は「分かった。酸辣湯でしょ。スパイシーさだけじゃなく、酸っぱさもすごいし……そんなもの、いったい誰と食べたのおおおおお!!!」と怒り叫ぶのである。

部屋中のありとあらゆるモノが時速143kmくらいで次々と飛びかかってくるなか、わたしは怒りが収まるのをひたすら待ちつづけるしかない。「いや、これ、あなたの足の強烈な残り香だから」とは言えないままに。

>>日本人&中国人のダブルの女性と国際結婚することになって驚いたこと(2)